イジワル王子の溺愛



その思い出はあたしの宝物


でもあたしも一歩踏み出さなきゃだめなんだ



「翼がいなくても平気だよ」


「……わかった、行くよアスカ」



それだけ言って、翼は電話を切った



「……ってわけだから」


「うん。楽しんできてね、彼女さんによろしく」


「―――あぁ」




自分の気持ちを隠し通そうと決めた、まだ蒸し暑さも残る――晩夏



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