色彩恋愛
あの子は見事に5時間目をサボった。
きっと今頃は、翔太の昼寝に付き合っているんだろうな。

(授業をサボるなんて、もう2年くらいやってないなぁ。)

私は中学3年生のときは、授業を時々サボっていた。
それは、屋上でのデートを兼ねて…。
温かい陽射しの中、少しドキドキしながらも過ごす時間。

時々、あなたもきた。

あなたが隣にいるだけで、どれだけ緊張したことか。
周りに気持ちを悟られないようにするのに精一杯だった。
ひたすら、私はあなたへの気持ちを隠していた。

あの頃の私達は、無邪気に“恋”という遊びを楽しんでいたのかもしれない。
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