色彩恋愛
「綾ー、おかえりなさい。」
「…っサエ。」

綾の笑顔が少し引きずった。

「翔太捜しは聞いてたけど、授業までサボるとは聞いてませんよー?」
「ごめんなさい…」

綾は頭を下げて謝った。
まったく素直な子。
翔太に一途で、すぐに顔にも出る。

…私なんかと違う。

「で、肝心な翔太はどうしたの?ちゃんと会えた?」
「うん!ちゃんと会えたよ!サエのおかげたよー。」

綾はまんべんの笑みで言った。
きっと、この笑顔は恋をしてるからできるんだろうな。
私は恋することに、こんな笑顔をすることができていたのかな?
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