色彩恋愛
「でもねー、なんか嫌な感じの人に会った。」
「嫌な感じの人?誰?」

綾は顔を渋くして、私の席のまえに座った。

「なんかね、見た目は普通にモテそうなんだけど、自信家っぽい感じな人!ぶつかったら舌打ちされたんだよ。」
「ひどい人だねー!」

モテそうな感じの自信家。
私には、思いあたる人物が一人頭の中に浮かんできた。
この学校では知らない人はいないぐらい有名な生徒。
私も昔から知ってる…。

「おい。」

私達の席にきた茶色い髪のモデルみたいな顔をした男子生徒。

「あっ、さっきの…」

綾は、その男子生徒を見るなり目を丸くした。

私だって同じくらい驚いた。


そこにいたのは、私がずっと好きな人だったのだから。
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