アンタ達、あたしの日常どこやった?
うっわ、さらーっとかわされた…!
でもちょっと、今の話は聞き捨てならないぞ。
「…すみません、さっきの話ですけど」
「あ、先生。ちょっと角でぶつかっちゃったんで氷貰えますか?」
いやお願い話聞いて下さい。
「成田さんは湿布の方が良いかな」
「あの…!」
「あ、俺Dクラスだから」
Dクラス…
犯人は真澄か…!!!!
でも待って。
なんでそんなの真澄が話ばらまく必要があんの?
真澄の事だから、まさかその辺で辺り構わずこの話してるとは考えにくいし。
「…すみません、」
「真颯選、出るんでしょ?」
保健の先生の所に行っていた中原くんが、湿布片手に戻って来ると、あたしの右手を取って貼ってくれる。
何、このジェントルマン。
「じゃあ、ライバルだね」
イケメンに右手を握られて、ぼーっとしてるあたしの頭は、しばらくその言葉の意味を理解できなかった。
「ラ…ライバル…?!」
「うん、俺も真颯選出るつもりだから」
へえー、そっかあ。
中原くんも出るのか。
って…まさか。
あたしの中にひとつの仮説が立った。