アンタ達、あたしの日常どこやった?

「あの…ちょっとおたずねしたいんですけど」



「ん?どうかした?」



ふにふに、と氷の袋を手のひらで押して遊んでいる(どうやら本当に頬は痛くないらしい)中原くんに、あたしは恐る恐るたずねた。



「中原くんって、もちろん持ち上がり組ですよね」



「うん、初等部からストレート」



「ちなみに…中原くん達の代の中等部、真颯会会長ってどんな方でした…?」



「え?俺だよ」



はい来た。



ほら来た。



やっぱり来たー!!!



「出た三連覇王者ー!」



予想通りの発言に、あたしは頭を抱えて思い切りしゃがみこんだ。



「どうしたの?そんなに右手痛む?」



「いや、大丈夫です…」



なーんかなあ、そんな予感がちらちらしてたんだよなあ。



藤崎さん、だったか…あの子が様付けして呼ぶほどの人間だし。



(まあそれはアイドル要素もあるのかも知れないけど)



真澄が情報漏らした、って言うより上手いこと聞き出した、っていう雰囲気だったし。



何よりこのまとってるオーラ!雰囲気!



常に余裕あります、みたいなイケメン王子…!

< 30 / 172 >

この作品をシェア

pagetop