アンタ達、あたしの日常どこやった?

なんか「会長やってました」って言われて10人が10人皆なるほどねって頷きそうな位オーラがあるんだもん…



「なるほど…それで、ライバルって話になった訳ですね…」



「うん、事前リサーチくらいは始めてないと5月まで間がないから」



なんだその余裕は。



アナタ絶対事前リサーチとか要らない人間でしょー!!



「ま…負けません、よ」



「うん、俺も負けないよ」



あああ、既にこの時点で負けてる空気感が…



ダメだダメだ、ネガティブになってる場合じゃない。



「じゃ!あたし教室戻るんで!湿布ありがとうございました!」



これは計画練り直さないとマズい。マズすぎる…!



バタバタと廊下に出ていくあたしを、中原くんは不思議そうな顔で見ていた。



…敵前逃亡じゃないもん。



戦略的撤退と言ってくれ。



だってあたしがあのイケメン王子に勝つ方法って何だ?



期日までに絶対必勝法見つけてやるんだから…!



そんな思いであたしは教室まで駆け戻っていった。
< 31 / 172 >

この作品をシェア

pagetop