アンタ達、あたしの日常どこやった?
なんか「会長やってました」って言われて10人が10人皆なるほどねって頷きそうな位オーラがあるんだもん…
「なるほど…それで、ライバルって話になった訳ですね…」
「うん、事前リサーチくらいは始めてないと5月まで間がないから」
なんだその余裕は。
アナタ絶対事前リサーチとか要らない人間でしょー!!
「ま…負けません、よ」
「うん、俺も負けないよ」
あああ、既にこの時点で負けてる空気感が…
ダメだダメだ、ネガティブになってる場合じゃない。
「じゃ!あたし教室戻るんで!湿布ありがとうございました!」
これは計画練り直さないとマズい。マズすぎる…!
バタバタと廊下に出ていくあたしを、中原くんは不思議そうな顔で見ていた。
…敵前逃亡じゃないもん。
戦略的撤退と言ってくれ。
だってあたしがあのイケメン王子に勝つ方法って何だ?
期日までに絶対必勝法見つけてやるんだから…!
そんな思いであたしは教室まで駆け戻っていった。