嘘、鬼よ。













――
――――




今日で7月。

そして、ついに来週…。



池田屋事件だ。



既に四国屋と池田屋の班は別れている。

私は池田屋にした。


というか、一番隊は池田屋とされていたので、志願するまでもなかった。





この胸のざわつきを沈めたくて、素振りを始める。


木刀がビュッと空を切る度に人を斬ったときのあの感触が蘇る。




案外サクッと切れてしまう皮膚と、骨に当たったときの手応え…

思い出すだけで吐き気を催す。



血の匂いは鼻について、洗っても洗っても落ちた気がしなかった。


目を閉じれば、目の前で血にまみれ心臓さえ動かなくなった者達が浮かんでくる。





私は、それをまぎらわすように首を左右に振った。













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