嘘、鬼よ。
憎悪嫌悪の目が痛い。
巡察がこれでは、彼等はやりにくいのではないだろうか。
「やめてください!!」
風と共に、微かにそんな声が聞こえた気がした。
これは行くべきだろうか?
何かいざこざがあるようだが、聞こえて来たのは、やめてください!!という声だけだし、そもそもどの基準で新撰組が動くのか、ということすら私は把握していない…。
すると沖田も気付いたらしく、こちらに振り向く。
そうか、これは行くべき件か。
軽くアイコンタクトをとると、地面を蹴った。