嘘、鬼よ。
京の町というのはやはりなんだか心地いい。
異質の私が心地いいなどと思ってはいけないのかもしれないが、なんだか落ち着くんだ。
しかし、
「………」
巡察は初めてだが、こんなに視線を集めるものなのだろうか…?
先程から、痛いほど町人の視線が刺さる。
それも余り良くないような雰囲気で…
「おい、沖田。
このような扱いはいつものことなのか?」
そう問いかけると、沖田は苦い笑みを見せる。
確かに様々な文献でも江戸の世ではあまり好かれていたとは、記されていない。
というか、嫌われていたが、こんなにもあからさまに蔑まれていたとは…
説は多々あるが、男所帯故に女の人気があったというのは、ガセネタか?