嘘、鬼よ。















―――
――――――




「酒じゃ、さあけえい!!!」



「あんまり飲み過ぎると切腹ですって!」



「刮目せよっ!この腹!」


「ぶはははは!
原田はもう切ってるもんな!
傷跡がいい感じに口の役割を果たしてるぞ!!」


「よっ!原田腹躍り!!」




………酒臭い。


只今年明け。


島原にてどんちゃん騒ぎだ。



なにが楽しいのか、花見に来る頭にネクタイを巻いたサラリーマンのように騒ぎ始める彼ら…。



年明けから島原もいい迷惑だろうに……






「んあれぇ?三冷さん。
呑まないんですかぇ?」


演技なのか本当に酔っているのかは定かではないが、べろんべろんの沖田が近付いてきた。



あぁ、折角なるべく目立たないようにと隅っこで魚をしゃぶってたと言うのに…




「まぁさか、呑めなりんですかぇ?」



滑舌がうまく回っておらず、フラフラと私の横に腰かける。


「…呑める」

何となく沖田に呑めて私に呑めないというのは自尊心が許さない気がして、つい嘘を。




「さいですかー!
じゃ、くいっと!!くいーっと!」



そういって酒を差し出す沖田からは、酒独特のアルコールの匂いが漂ってくる。



「え、いや…。」


「えー、やっぱり三冷さん呑めないんだぁ!!」



むむ

「呑める、呑めるとも!
呑めないわけがないだろう!」



あ…………



「では、どうぞっ」



つ、つい……



「はやくっ、はやくっ!」




いつのまにか私の手のなかに収まっていた酒。


これはもう呑むしかないのか…?

呑むしかないのか!?




「……」



別に、この時代ではなんら悪いことではないけど…

っていうか同い年でも呑んでる奴は呑んでるんだけど…




「………っ」


これはただの水これはただの水これはただの水!!



意を決してお猪口に口をつけたとき




「ひとーつ!!」





その声で場が静まり返った…。


酔っぱらっていたやつも一瞬で酔いが覚めたのか、しっかりしている。

それどころか、みんな顔が真っ青だ。




それもそう。
今声を発しっのは、鬼の副長…土方だからだ。





「………」


「士道ニ背ク間食事(シドウニソムクマジキコト)

一、局ヲ脱スルヲ許サズ(キョクヲダッスルコトヲユルサズ)

一、勝手ニ金策致ス可カラズ(カッテニキンサクヲイタスベカラズ)

一、勝手ニ訴訟取リ扱ウ可カラズ(カッテニソショウトリアツカウベカラズ)

一、私ノ闘争ヲ許サズ(シノトウソウヲユルサズ)

以上ニ相背ク候者ハ切腹申付ベク候也(イジョウニアイソムクソウロウモノハセップクモウシツケベクソウロウナリ)」












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