3度目の結婚
「すみません、少し、ひなたを借りてもいいですか?」

「あっ、はい、どうぞ」と隆さんが答えた。

晃は、私を皆から離し、言いにくそうに言ってきた。

「ひなた、本当に、あの時はごめん。謝っても済む問題じゃ
 ないのは十分承知している。でも、きちんと謝る前に
 ひなたは、この町を出て行ったから・・・・。
 ずっと、謝りたかった。俺が大人になりきれてなくて
 ひなたに辛い思いをさせて・・・。すまなかった。」

「晃がそう思うんなら、お母さんを大切にして。
 お母さんだって、もう年でしょ。可哀想だよ。
 晃がしっかりしないと、お父さんもうかばれないよ。
 今日会えたのも、丁度良かったのかもね。
 私、あの人と結婚するの。今日はその挨拶に来たんだ。」

「そうか・・・。結婚するのか!何している人だ?」

「医者よ。私、春に事故に遭ったのよ。その時の担当医
 だったのよ。」

「そっか。医者か・・・。ひなた、俺が言うのもなんだが
 幸せになれよ!」

「ありがとう、晃もね」

二人で、握手をして、私たちは皆の所へ戻った。

「じゃー、俺たちは、向こうに席取ってあるんで。」

「ひなた、今度連絡頂戴ね。元気でね」

「うん、ありがとう。裕子も博之さんもお元気で」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ヒュー、ドーン。パラパラパラ~

花火があがり始めた。

あの後、私は、隆さんの手をしっかり握りしめ
隆さんに、『大好きよ』と言った・・・。

隆さんは、何も言わずに、頭の上にキスを落として
くれた。
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