あそこの姫は逃走中
「………は?」
この世界にいても魔死も狙われるにきまってる。
しかもこのままじゃ子供たちのお墓はないまま焼かれて終わってしまう。
「魔死、人間界にいきましょう?」
涙をこらえ、魔死にそうつげた。そうだ、子供たちのお墓は人間界でうめればいいよ。
「魔希…?おまえ、なにいって「人間界にいこうといってんの!!子供たちもいっしょに!!」
不意に生暖かいものが流れた。それは悲しいというのじゃなくて悔しくて流れたものだった。
「今、ここにいても私も魔死も殺されちゃう!!私はともかく、子供たちのためにも人間界にいくの!!」
「でも……それって魔希…禁忌を犯すことに…」
「いいの、だって犯すために毎日つくったんだから!!」
ポケットから魔法陣のかいた紙を広げ、親指を思いっきり噛み、血を紙に垂らした。
すると、ゴォォっと音を立てて魔法陣に光がったった。
「本によると、この中に入ると人間界にいけるらしいわ」
魔死は呆然と見ていた。
「魔死!!ボーッとしないでこのこたちをかついで!!時間がないの!!」
「あぁ…!」
あたしは二人の子供たちを魔死は3人の子供たちをかついで光のなかに入ろうとした。
するとビュウっと炎が私と魔死の間を横切った。
「行かせませんよ」