あそこの姫は逃走中


「姫様…姫様…?」

「うー……ん」

「姫様、起きてください」

「んー…ん?っは!!」


ガバッとおきて、横をみると召使がいた。その後ろに魔法陣…


「姫様、まだ誰にも言ってませんが、これはなんでしょうか?」

「ら…らくがき…」


やっぱりつっこむよね。姫が妙な魔法陣をかいてたら誰だってきみわるいよね。


「へぇ〜?らくがきですか、この本と全く同じらくがきですね、んー?「人間界にいく魔法陣」ですか?」

「お願い、誰にもいわないで!!」

「……なぜこのような魔法陣を書いたのですか?現実逃避ですか?」


現実逃避……でも「魔死といっしょに人間界にいくんです★」って言えないし…


「そ…それはいえない…」


沈黙の間ができた。うぅ…この間苦手なんだよな…なんか言ってよぉ!


「そうですか、ではいつ姫様はいくんですか?」

「えっ?たぶん今日…かな?」

「そうですか。ならこの魔法陣は処分しないといけないですね」

「……っ?!やっやめて!!」


すかさず、9本の太い尻尾をだして召使を攻撃してしまった。


「……っう!!」

「あぁ!ご…ごめん!でも…これは消させない!」

「しかし、姫様!それで人間界にいけば禁忌を犯すことになるんですよ?!」

「でも私はここにいかないといけないの!!」

「では、ちからづくで処分させていただきます」


すると召使は目が赤くなり、私に爪を向けた。


召使は「旧鼠」という猫を殺す鼠の妖怪。でも…私の敵じゃない!


「狐火!!!」


部屋の中は私の周り以外火の海になった。ごめんね、本当はこんなことしたくないけど…!


私の邪魔をするものは容赦できないの!


「うぅ…!あっ姫様!!姫様!!」


窓からおりて、魔死の家に急いで向かった。たぶん、これがバレるのも時間の問題。
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