世界が終わる時の景色



「母さんは家から出ないからね。

"嫁"って言葉が似合う人だよ。

はたから見れば、正に良妻賢母だと思う」

「実際は?」

「んー…世間知らずのお嬢様で嫁いだからかな。

家から出る事が苦痛みたいで。だけど家事は完璧。

買い出しとかはお手伝いさん任せだけど」

「へー…」


思えば、南十字の執事として仕事をするようになってからは、
実家にも帰っていない。

だから、記憶に残っているのは、
自分が幼い時の母の姿で。


「元気にしてるのかな。父さんも帰ってないだろうし、

寂しく過ごしてるんだろうな…」

「…心配?」

「…一応、ね」



< 189 / 207 >

この作品をシェア

pagetop