世界が終わる時の景色



一度会いに行ってもよかったと、
少しの後悔。


「…そんな日向が、私なんかと心中したって知ったら…

お母様、悲しむわね」

「…そうだね。でも僕は、志乃を選ぶよ」

「本当?」

「もちろん。君と一緒になる事以上に、

大切な事なんてこの世に無い」


握った手に口付けた。


「…不思議ね。"今"がその時なんだって思ったら、

昔の話しか出てこないわ」

「わかる。僕も小さい頃の志乃の間抜けな話しか思い出せない」

「それは忘れて欲しいわ…」

「だめだよ。大切な思い出なんだから。全部持っていく」



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