世界が終わる時の景色
「それも初耳だわ…」
「"志乃"じゃなくて、"志乃お嬢様"。
気安く話しちゃいけない。
志乃に仕えるとは知らずそういう勉強はしてきたから、
そこに関しての葛藤とかは無かったんだけど。
でも、覚悟してたとはいえ…急に変わった関係が寂しかった」
「それは私もよ。誕生日を祝いに来てくれたかと思ったのに、
かしずいて志乃お嬢様ーなんて言うんだもの」
「違和感凄かったよね」
今だから、笑って話せる事。
「私はずっと日向の事が好きだったから…
"命令"だなんて、執事の日向を利用してたのよ」
「知ってる。僕もそれに甘えてた」
ふたりで並んで白いベンチに座り、
互いを見つめるわけでもなく海を見つめる。