世界が終わる時の景色



ぽつりぽつりと語られる言葉は、時に波音に掻き消され。


「でも、最初は嫌だったわ。

貴女が命令に従う事が」

「あー…キスとか?」

「セックスもね。命令だって一言いえば、

本当に何でもするんだもの。

私に尽くすっていう感情しか無いんだ、って思った」

「僕だって、感情を殺すのに苦労したよ。

まぁ、君を好きだって気付いたのは初めてのキスの命令の時だけど」

「そんなに遅かったの?」

「一緒にいる事が当たり前だったから、

大切だし特別ではあったんだけど。

9歳の時には君の執事にならなきゃいけないって知ってたから、

無意識に気づかないようにしてたのかもね」



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