世界が終わる時の景色
やがて陽が落ちて、青い空はオレンジ色に。
「…綺麗ね」
「うん」
海までもがオレンジに染まり、
沈んでいく太陽はまるで、海に呑み込まれているようだ。
そうやって形容してみるけれど、
言葉にはならない。
「ここは夕日が凄く綺麗に見えるけど、
二階のバルコニーは月が綺麗に見えるんだ」
「それを楽しみに来たのよ。夜が楽しみだわ」
寄り添いながら冷えた身体を温め、
果てしない水平線と夕陽を見つめる。
終焉が、近づく。