世界が終わる時の景色
「そう」
志乃は日向に目を向けないまま。
ずっと、夜空を眺めていた。
その姿が何処か儚げで、消えてしまいそうで。
ゆっくりと歩み寄り、その華奢な背中を抱き締めた。
「何?」
「…"日向"なら、こうするよ」
―部屋に来て。
ただし、"日向"として。
これは命令じゃないわ。
「…篠山、なら?」
「お嬢様、明日の学校に響きますのでお休みください」
「ふふっ、凄い変わりようね」
「使い分けてるんだ、これでも」