世界が終わる時の景色



「…じゃあ、日向」

「ん?」

「日向は…私が結婚する事、どう思ってる?」

「……」

「教えて」


胸元に回っている日向の腕に触れ、緩く撫でる。


「…僕は、」

「……」


きゅっ、と一瞬口を噤んでから、言葉を吐き出した。


「…嫌に決まってる…」


とても小さく、か細い声。

悪戯に吹いた風に、掻き消されてしまう程に。



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