世界が終わる時の景色



ドアを開けて手を差し出す。

手を取った志乃は、
かつん、とヒールを鳴らして一軒の店に入った。

一軒の、メンズブティックに。


「…志乃お嬢様?」

「たまには日向とショッピングしたいな、って」

「……」


無邪気に微笑んだ彼女。


「いつも"篠山"だから、私服のところなんて見ないわよね。

どんな服が好みなの?これはどう?」

「あの、お嬢さ…」


言いかけたところで、唇に指先を宛てられて。


「今は日向で居て」


悪戯に微笑んだ彼女は、再び服に視線を戻した。



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