世界が終わる時の景色



「ねぇ、どんなのが好きなの?」

「…黒と青が好き」

「子供の頃から変わらないわね」


くすりと笑みを零した彼女は、一着の服を手に取って、
日向の身体に当てた。


「んー…普段かっちりしたの着てるからなあ。

たまには緩いのを着てるところを見たいのよね」

「それさ、もう志乃の趣味だよね」

「あら、だめ?」

「…別にいいけど」

「ふふっ、じゃあこれ着てきてね」


手際よく選んだ彼女に押し付けられた服を受け取り、
店員に促されるまま試着室に入った。

「僕に私服なんて選んでどうするんだ」と、
心の中でぶつぶつ言いながら。



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