世界が終わる時の景色



「それでも、少しだけ…少しだけ、夢見てたけどね」


くすりと、自嘲的な笑みを零す。

まるで、「自分はばかだ」と蔑むように。


「…あ、安心して。

僕に"志乃の執事"っていう居場所を捨てる勇気なんて無いから。

結ばれなくていい。ずっと、彼女の傍にさえ居られれば。

それだけが、僕の生きる意味なんだ」


面と向かっては言えなかった、本当の気持ち。

口に出すのも恥ずかしいような想い。

それを、自分の父親に告白しているなんて。

だけど日向は、照れる様子も無く続ける。

なぜなら、


「志乃だけを想って、死んでいきたい」


至極真面目だからだ。



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