初恋
再会と約束
約束




ピピピピ

翔「う・うーん」

枕の上でけたまましくなる、目覚まし時計に手を伸ばし止める

翔「なんだか、懐かしい夢だったな、あれからもう十数年になるのか。」

俺は夢に出てきた、少女の事を考えていた。

翔「確か、歌南風(かなん)って名前だったよな、でもどうして今になってあんな夢を見たんだ
  ここ数十年は見なかったのに、どうして」

まだ、眠りから覚めてない頭で考えるが、どうも分からなかった。

翔「ま、いっかとっとと顔洗って、着替えて大学行くか。」

季節は春、俺は両親の説得押し切り、東京の大学を志望し
必死で勉強して、合格した。

俺は上京し、東京の安ボロアパートを借りて、そこから通っている。
自転車で約15分の所にある大学に俺は通ってるいる。

翔「晴れてるから、今日はあの桜並木を通っていくか。」

桜並木を自転車で疾走する。
その桃色のサクラが太陽に透けて薄紅色に輝いて、
目を細める。

翔「今日はなんだか良い事が起こりそうだな。」

翔が余所見をしていると、前の方から

?「危ない!」

翔「えっ!」

とっさに俺は声をした方に目線を戻し、もう少しで人にぶつかりそうになる所を
ハンドルを切り、人には当たりはしなかったが、芝生の上に俺は転がった。

女性が近寄り俺に声をかけた

?「だ・大丈夫ですか?」

翔「あ・あー、はい大丈夫、すいません、余所見してたもんで
怪我はありませんか?」

?「うん、私は大丈夫、君がとっさにハンドルを芝生の方に向けてくれたから
  ぶつからずに済んだから」

翔「俺も対した事は」

そう言う翔は立ち上がろうして、足首に痛みが走った。

翔「痛!」

?「ど、どうしたの?」

翔「いや、さっき転んだ時にどうやら足首を捻ったみたいで」

?「えっ!そうなの、それは大変、私の肩に捕まって、あのベンチまで運んであげる」

俺はその女性の肩を借りながらベンチまで運んでくれる。

?「ちょっとここで待っててね」

女性は俺をベンチに残して、何処かに行った。
数分後、女性は戻ってきた。

?「さっき捻った足出して、冷やさないと腫れちゃうから」

女性はハンカチを水に濡らして俺の捻った足をハンカチで冷ましてくれる。

翔「あ・有難う」

俺はその女性に礼を言った。

?「礼なんていいよ、私も余所見してて途中で気づいたんだし、私も悪いよ、
だからこれだけはさせてね♪」

翔「う・うん」

1時間後

翔「有難う、大分痛みも引いてきたからもう大丈夫」

翔は女性に笑顔で答えた。

?「ううん、私も悪かったから」

翔は自転車に跨ろうとして、ある事に気づいた。

翔「そういやーまだ自己紹介がまだだったよね
俺は○○大学の2年で翔って言うんだ、君わ?」

?「えっ、翔?」

翔「う・うん、そうだけど」

そう答えると・・・

?「わ・私は、歌南風(かなん)」

翔「え!歌南風!」

歌南風「うん、久しぶりだね♪」

それは、懐かしい記憶で2人が歌南風の引越しの時に約束
を果たした瞬間だった。
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