夢を見る
 彼はまだベッドに張り付いている。


 だるいのだろう。


 分かる気がした。


 そして午前十時を回る頃に、眠そうな顔をして起き出してきたのである。


「眠い?」


「ああ。まだ目が覚めてないよ」


「コーヒー淹れるから待ってて」


 そう言って薬缶にぬるま湯を入れ、沸かす。


 粉末を溶かすためだ。


 アイスのインスタントコーヒーはすぐに出来上がった。


「しばらくは寛げるわね」


「まあな。休みだし」


 雄哉がそう言って、グラスを持ち、リビングへと歩き出す。 
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