夢を見る
「うん。眠気差してるね。俺も慢性的に朝弱いんだ。いくら営業マンで気を張っててもね」


「疲れてるの?」


「まあ、そうだな。だけど、大丈夫だよ。慣れてるから」


「コーヒー淹れてあげる」


「ああ、ありがとう」


 彼が一言そう言って、ゆっくりと洗面台へ向かった。


 薄いガラス扉越しにジャブジャブという、洗面台で水の跳ねる音が聞こえてくる。


 そして持参していた髭剃りで髭を剃ってしまった後、すぐに出てきた。


 コーヒーを一杯淹れて、差し出す。


「ああ、ありがとう」


 雄哉がそう言って口を付けた。


 彼が一口飲んだ後、


「やっぱ起き抜けのアイスコーヒーは美味いね。体の芯まで快感が来るし」
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