甘え下手
「え?」
「一番女として扱ってないの、航太さんじゃん……」
櫻井室長の顔がハッと強張って、自分の失言に気づいて口を押さえた。
嫌だ、仕事の話をしてるのに、何を私はこんな個人的な恨みごとを。
「百瀬?」
「すみません。変なこと言いました。忘れてください……」
深く頭を下げる。櫻井室長の顔がまともに見られない。
しばらく頭を上げないでいると、ブースの外から「すみません」と見学者の声が聞こえてきて、櫻井室長が応対の為にそちらへ向かったのが気配で分かった。
本来なら私も表に出て接客に励まないといけないところだけど、そんな気分になれずに商談スペースでぼんやりと立っていた。
言ってはいけないシーンだったけれど、言った言葉に嘘はない。
一番私のこと女扱いしない櫻井室長に言われても、なんの説得力もない。
この場にいたのが参田さんだったら、「比奈子ちゃんに限って何もないから大丈夫!」なんて逆に背中を押してきそうなくらいだ。
「一番女として扱ってないの、航太さんじゃん……」
櫻井室長の顔がハッと強張って、自分の失言に気づいて口を押さえた。
嫌だ、仕事の話をしてるのに、何を私はこんな個人的な恨みごとを。
「百瀬?」
「すみません。変なこと言いました。忘れてください……」
深く頭を下げる。櫻井室長の顔がまともに見られない。
しばらく頭を上げないでいると、ブースの外から「すみません」と見学者の声が聞こえてきて、櫻井室長が応対の為にそちらへ向かったのが気配で分かった。
本来なら私も表に出て接客に励まないといけないところだけど、そんな気分になれずに商談スペースでぼんやりと立っていた。
言ってはいけないシーンだったけれど、言った言葉に嘘はない。
一番私のこと女扱いしない櫻井室長に言われても、なんの説得力もない。
この場にいたのが参田さんだったら、「比奈子ちゃんに限って何もないから大丈夫!」なんて逆に背中を押してきそうなくらいだ。