甘え下手
「それじゃ、18時にロビーで待ち合わせでいいですか」

「ああ、いいよ」


櫻井室長と私の部屋は隣同士。

参田さんのときは何も思わなかったのに、櫻井室長が隣にいると思うと、無駄にドキドキするから困る。


部屋に入ると早速パンプスとストッキングを脱いだ。

立ちっぱなしだった足はパンパンにむくんでいる。


「ああ~、疲れたー」


独り言を口にしながら、スーツをベッドの上に脱ぎすてていく。

ああ、この解放感、たまんない。


バッグから持参したジャージを出して着ると、スーツをハンガーにかける。

もうちょっとしたらまたこのスーツを着て、接待に出かけなきゃいけない。


本当は夜に櫻井室長と少し話そうと思ってたんだけどな……。


狭くて固いビジネスホテルのベッドでも極楽に感じるのは疲れのせいに違いない。


今日、何時に帰れるんだろう。

そんなことを思いながら、うつ伏せに寝転んで目を閉じた。
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