甘え下手
自販機で温かいココアを買って、そのままフロアに戻ろうとした入口のところで、バッタリ櫻井室長に会った。
「あれ? おはよう百瀬」
「あっ、おはようございます」
最初のあれ?は私が昨日と同じスーツ姿だったから。
予想外に顔を合わせたせいで、櫻井室長の顔を直視してしまった。
昨日までは絶対に見られないと思っていたのに。
参田さんと違って私のスケジュールを把握しているわけじゃないから、櫻井室長はそれ以上突っ込んではこなかった。
櫻井室長はまさか私が家に帰っていないなんて、夢にも思っていないだろう。
「出張、お疲れさまでした。機材と一緒に帰らせてすみませんでした」
「いや、楽しかったよ。運搬係の山本とラーメン食って帰ったんだけど、これがまた美味くてさ」
「ホントですかー? どこにあるんですか?」
その流れで私達は拍子抜けするほど、今まで通り何気ない会話をしながら、フロアを歩いていた。
出だしが上手くいけばそれは自信に繋がり、私はいつもよりも饒舌なくらいだったと思う。
「あれ? おはよう百瀬」
「あっ、おはようございます」
最初のあれ?は私が昨日と同じスーツ姿だったから。
予想外に顔を合わせたせいで、櫻井室長の顔を直視してしまった。
昨日までは絶対に見られないと思っていたのに。
参田さんと違って私のスケジュールを把握しているわけじゃないから、櫻井室長はそれ以上突っ込んではこなかった。
櫻井室長はまさか私が家に帰っていないなんて、夢にも思っていないだろう。
「出張、お疲れさまでした。機材と一緒に帰らせてすみませんでした」
「いや、楽しかったよ。運搬係の山本とラーメン食って帰ったんだけど、これがまた美味くてさ」
「ホントですかー? どこにあるんですか?」
その流れで私達は拍子抜けするほど、今まで通り何気ない会話をしながら、フロアを歩いていた。
出だしが上手くいけばそれは自信に繋がり、私はいつもよりも饒舌なくらいだったと思う。