甘え下手
お母様が露骨に嫌な顔をする。
「翔馬、ソレ優子さんが作ったって知っててわざと言ってるんでしょ」
「へー、そうなんだ」
「だってお母さんが皆が揃う食事会の日に、ただのポテトサラダなんか作るわけないじゃない」
「美味いだろ。優子はいつも作ってるもんな、ポテトサラダ」
「天馬まで。もう、嫌な子達ね」
「比奈子も教えてもらえば? ポテトサラダ」
「……は、はい」
「あの……、ポテトサラダはたいした料理じゃないので、教えるってほどじゃ」
阿比留さんが優子さんを褒めると、すかさず天馬さんがそれに続いた。
天馬さんはどちらかというと、優子さんを褒めたと言うより、自分より先に奥さんの手料理を褒められたのが気に入らないって感じ。
阿比留さんはこの雰囲気を壊したかったのかもしれないけど……。
優子さんはかえって気まずい思いをしてるみたいだった。
私はどうしていいか分からない。
さーちゃんだったらこの状況を打破する一言をかませるに違いないのに、私には何もできない。
阿比留さんはマイペースに発言を続けていた。
「翔馬、ソレ優子さんが作ったって知っててわざと言ってるんでしょ」
「へー、そうなんだ」
「だってお母さんが皆が揃う食事会の日に、ただのポテトサラダなんか作るわけないじゃない」
「美味いだろ。優子はいつも作ってるもんな、ポテトサラダ」
「天馬まで。もう、嫌な子達ね」
「比奈子も教えてもらえば? ポテトサラダ」
「……は、はい」
「あの……、ポテトサラダはたいした料理じゃないので、教えるってほどじゃ」
阿比留さんが優子さんを褒めると、すかさず天馬さんがそれに続いた。
天馬さんはどちらかというと、優子さんを褒めたと言うより、自分より先に奥さんの手料理を褒められたのが気に入らないって感じ。
阿比留さんはこの雰囲気を壊したかったのかもしれないけど……。
優子さんはかえって気まずい思いをしてるみたいだった。
私はどうしていいか分からない。
さーちゃんだったらこの状況を打破する一言をかませるに違いないのに、私には何もできない。
阿比留さんはマイペースに発言を続けていた。