甘え下手
もう付き合い始めて二ヶ月目だというのに、沙綾のおかげで私達は相変わらず友達に毛が生えたような関係のまま。
だけどそれは沙綾を振りきる積極性を持てない私が原因に違いなかった。
「じゃあ阿比留さんが家に来ればいいじゃん! お兄ちゃんも会いたがってたよ」
ひひひ、と意地悪な笑みを浮かべる沙綾に阿比留さんが露骨に嫌な顔をする。
「何それ。もしかして俺殴られんの?」
「投げ飛ばされるかも! 私の彼氏でね、庭の植え込みまで吹っ飛んだ人いたよ!」
「ちょっ、変に脅かさないでよ!! それはさーちゃんの彼氏が勝手に二階の部屋に忍び込もうとしたからじゃん」
「強えな。兄ちゃん」
阿比留さんが他人事のような顔をして笑うから、やっぱりお兄ちゃんに会う気なんて更々ないんだと分かって、私は期待してたわけじゃないのになんだか少し寂しくなった。
「お兄ちゃんいるから全然彼氏家に上げられないんだよねー。阿比留さんはどうかな~?」
「べつに行ってもいいけど」
「え?」
意外なセリフに私達姉妹の声がハモった。
だけどそれは沙綾を振りきる積極性を持てない私が原因に違いなかった。
「じゃあ阿比留さんが家に来ればいいじゃん! お兄ちゃんも会いたがってたよ」
ひひひ、と意地悪な笑みを浮かべる沙綾に阿比留さんが露骨に嫌な顔をする。
「何それ。もしかして俺殴られんの?」
「投げ飛ばされるかも! 私の彼氏でね、庭の植え込みまで吹っ飛んだ人いたよ!」
「ちょっ、変に脅かさないでよ!! それはさーちゃんの彼氏が勝手に二階の部屋に忍び込もうとしたからじゃん」
「強えな。兄ちゃん」
阿比留さんが他人事のような顔をして笑うから、やっぱりお兄ちゃんに会う気なんて更々ないんだと分かって、私は期待してたわけじゃないのになんだか少し寂しくなった。
「お兄ちゃんいるから全然彼氏家に上げられないんだよねー。阿比留さんはどうかな~?」
「べつに行ってもいいけど」
「え?」
意外なセリフに私達姉妹の声がハモった。