―彼氏と彼女―




 そんな私を知ってか知らずか、気にした様子もなく、ゆっくりした動作で髪をキレイに直していく小林君。


 私は一気に顔に熱が生まれるのを感じた。




「……よし。
 これで直った」


 ニカッと笑った彼に、私は俯いたまま小さく「ありがとう…」と告げた。



「なぁ、ところでさ……」


 彼が私との距離をそのままに、


「あれ、お前の知り合い?」



 言われて、彼の視線の先を見ると――――



「え……な、んで…」



 そこには、こちらをジッと見てる広瀬君がいた。


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