―彼氏と彼女―
俯いた私の言葉が聞き取れないのか、は?と聞き返す彼に、私はもう、止められない。
「この一年私の事なんて何にも解ってなかったくせに!」
―――言った。
言ってしまった…!
広瀬君は私の言葉を聞いて、目を見開く。
私は、自分の言葉に自分で傷付いて、そのまま走り去った。
彼はもう、私を止めることはしなかった。
ずっと伝えられなかった私の気持ち。
でも……私は自分の事ばかりで、同じように彼の事を何も分かってあげれなかった事に、まだ気付いてなかった。
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