―彼氏と彼女―




「はぁ…」



 学校での時間、私は自分でも呆れるほど溜め息ばかり吐いていた。



 あの日家に帰ってから今日まで、私は携帯の電源を切って広瀬君から逃げていた。


 ………本当、情け無い。




「……………はぁ」



 何度目かの溜め息を吐くと、いきなり頭を叩かれた。


 ビックリして見ると、教科書を丸めて持っている小林君がいた。



「沙智、お前暗すぎ!」


 そう言って、丸めた教科書を使って私の頭をパコパコ叩く。


 ……そんなに痛くはないけど。



「地味に嫌です。ヤメテクダサイ」

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