初恋の宝箱
桃子が出したのは赤色のネクタイ
1年生の学年色だ
「お前って本当に面倒がかかるというか....なんつうか。購買で借りてきてやるから顔洗ってトイレの前で待ってろ」
教室出て柳瀬が向かったのは校内にある購買部
制定品はもちろん、おにぎりやパンなども売っている校内のコンビニだ
「あら、柳瀬先生」
店主の松崎 俊子(まつざき としこ)が柳瀬を見るなり目を輝かせた
65歳のおばちゃんパワー丸出しの俊子は
生徒にとってはおばあちゃん的存在で親しまれている
「あ、どうも」
その65歳とは思えない勢いに圧倒され柳瀬は控えめに挨拶した
「あのう、高2の学年カラーのネクタイ少し貸して頂けないでしょうか?」
「もしかして、桃子ちゃん?」
「まあ」