金色のシッポ
「なあ美狐。」
「…なんじゃ…」
「お前…寂しかったよな。こんな所に500年も閉じ込められて。お前はただ、人が好きだっただけなのにな…」
優しく問いかけると、俺の腕の中でうずくまる彼女は小さく震えていた。
「…うっ…ヒック…だって…わらわは、ただっ!!…皆と仲良くっしたかっ…た、だけなのにッッ!!!
妖狐とゆうだけで!!わらわを閉じ込めたあの姫が許せぬのじゃっ!!!!
人間なんて嫌いじゃ!!!
皆わらわの事なんて信じてくれんのじゃ!!!
連れ去られるわらわを見ても誰も助けてくれんかった!!!
う…うわあああああああああああ!!!」
そうして泣きわめく彼女は本当に儚げで、俺の腕のなかで潰れてしまいそうだった。
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