32回、好きって言うよ。



「あたしは翼先輩が好きです。
一緒にいられるのが幸せなんです」


「生意気言わないでよ!
早見くんが好き?そんなのあたしだって…」



恋する女の子の顔になった先輩。

あれ、もしかしてこの人。

ただ純粋に、翼先輩が大好きなのかもしれない。



「か、かっこいいですよね」


「そうそう、冷たそうなところが……って、なんであんたと恋バナなんか…」


「あと、優しいし!」




しばらく黙ってしまった彼女は、ぶっきらぼうに言った。



「あと、スタイルもいいし。
何でもサラッとこなしちゃうし」


「わかります!」





最後には意気投合してしまったあたし達。


裏庭に座って、翼先輩の魅力について語り合った。


「でね、その時早見くんが来て」


「きゃー!羨ましいです」

「あたしは日直の時に……」




キャーキャー話していて、気付くと夕焼けが見えた。



「わ、もうこんな時間じゃん」



バタバタと立ち上がったあたし達。





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