32回、好きって言うよ。
「後ろ、乗れ」
そう言って自転車の翼先輩の後ろに座る。
「掴まって、いいですか…?」
「当たり前」
でもどこに掴まっていいかわからない。
思いっ切りペダルを踏んだ翼先輩に、慌てて服を掴む。
目の前の景色が流れるように通り過ぎる。
風が2人の髪を揺らす。
この大きな背中の温もりを離さないように、ギュッと抱きついた。
ぐんぐんスピードを上げる自転車は、虹を目指して走る。
「あ……消えちゃう!」
だんだん薄くなっていく七色。
真っ青な空に飲み込まれていく虹。