虜―ポチ 2― 【TABOO】
「じゃあ、そろそろ彼氏にキスマーク付けること覚えさせてよ。じゃないといつまでたってもつけられないじゃん。
 僕、もう我慢の限界なんだけど」
 唐突にため口でそう囁いてくるから、精いっぱいの力で突き放そうとするんだけど、ポチはそんなのもう慣れっこで、上手によけると逆に私を腕の中へと閉じ込めた。耳元に吹きかけられる吐息に早くも身体の奥が溶けはじめるのがわかる。

――そんな女じゃなかったのに。

 壊れ物みたいにそっと私を扱ってくれる彼氏とだけ付き合っていた時は。
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