【番外編】惑溺 SS集
「……俺が、信用できない?」
低く、リョウがつぶやいた。
その言葉の温度に、ぞくりと震える身体。
顔を上げると、怖いくらい真剣な表情のリョウが私をまっすぐに見ていた。
「ちが……」
違うの。
こんな事を言いたかったわけじゃないのに……。
仕事中のリョウに嫉妬してしまうなんて、そんなバカな女になりたくないのに。
恥ずかしくて唇を噛んで下を向くと、リョウの右手が私の顎に触れた。
うつむいたばかりの私の顔を、顎をつまむ様にして強引に前を向かせる。
乱暴に固い壁に押し付けられ、逞しいリョウの身体に自由を奪われる。
私を見下ろすリョウの黒い前髪がはらりと乱れて、その綺麗な顔を隠した。