【番外編】惑溺 SS集
「あ……、なんか嫌な客が来たとか言ってたけど……」
『あはは!嫌な客だって!』
「あ、ごめ……!なんでもない!」
慌てて私が自分の口を塞ぐと、電話の向こうで博美が逆に謝る。
『いや、悪いのはこっちだし。
ホント自分でも嫌な客だったと思うよ。
聡史が悪酔いしてリョウくんに絡んで飲ませてひどかったんだよー』
「そうだったんだ」
あの聡史が悪酔いして絡むなんてめずらしい。
お酒の場のノリに慣れている博美が謝るなんて、そんなに酔っぱらってたのかな。
『聡史のやつリョウくんに大分余計な事を言ってたから、気になってさ』
「余計な事って?」
『将来の事とかちゃんと考えろって教師面してうだうだ説教たれてたよ。
まぁ、教師が元教え子に絡んで飲ませるなって話なんだけどさ。
リョウくんは?二日酔いになってない?』