【番外編】惑溺 SS集
「んー、まだ寝てる」
『そっか。じゃあ起きたら謝っといて』
「わかった」
『じゃああたしは旦那の介抱するわ』
「聡史も二日酔い?」
『うん、頭痛いって唸ってる。自業自得だって説教してくる』
「あはは。あんまり厳しくしちゃだめだよ」
『わかってる。じゃあね』
「うん、またね」
そう言って電話を切ると、かたりと寝室の方で音がした。
リョウ、起きたのかな。
そう思いそっとドアを開けて覗いてみると、リョウがベッドの上で体を起こし、おでこの辺りに手のひらを当ててうつむいていた。
「リョウ、おはよ……」
そう声をかけると、うついたままでちらりと目だけを動かして前髪の間からこちらを見る。
そして不機嫌そうに眉をひそめ、
「頭いてぇ……」
と、低い声でつぶやいた。