宝物〜絆〜
「邪魔する事が私達の為? 意味が分かんない」

 香奈は呆れたように溜息をついて首を横に振る。

「そんな事も分からないんだ。逆に聞くけど、香奈は何の為にこんな事してんの? こんな事して、少しでも良い事あった?」

 諭すように質問する琴音。

「別に。気に入らないからやってるだけだし。ストレス解消すんのに理由なんて要る?」

 香奈は当然でしょ、とでも言いたげな表情で琴音を見つめる。

「ストレス解消って……。じゃあ好きな人と付き合いたいからとか、そういう理由は一切ないんだ。今までのもずっと?」

 香奈の返答が余程驚いたのか、琴音は目を見開いて聞き返した。

「黙って。もう、これ以上どうでも良い事聞かないで」

 香奈は言いながら一歩、琴音に近寄る。

「どうでも良くない! 香奈、あんたおかしいよ。だいたい……」

「だから、うるさいって。黙れって言ってんのが分かんないの?」

 香奈は声を荒げて琴音の胸元を押し、倒れ込んだ琴音を蹴りつけた。

「香奈、やめて!」

 仁美が慌てて琴音の元に駆け寄る。

 つか香奈の奴、この状況で琴音にまで手を出すとは。救いようがねえな。

 もう我慢出来ねえ。
< 179 / 475 >

この作品をシェア

pagetop