宝物〜絆〜

「あー、そんでさ。意味ねえとは思うけど、明日、晃に話聞いてみる？」

　立川は急に真顔になって提案した。

「良いんじゃね？　まあ確かに意味はなさそうだけど」

　秀人は苦笑しながらも軽く同意する。

「ああ。良いんじゃねえかな」

　意味はなくても事態が悪化する訳でもないし、私も同意した。

　まあ二人が言うように、聞いたところでごまかされんのがオチだろうけど。

「よし、決まり。今、電話してえけど、今すると明日学校休みそうだからやめとくか」

　立川は言い終えると、またいつもの悪戯な笑みを浮かべて私を見る。そして言葉を続けた。

「つか、それにしても姐御の最後のマウントは凄かったなあ。晃ん時みてえに、やっちまうのかと思ったよ」

　やはりというべきか、またからかってくる。

「いやぁ、俺もあん時はどうなんのかと思ったわ。美咲、マウント好きだよなあ。俺にも、ちょっとやってみてくれよ。スカートん時に」

　そして更に秀人も、いつも通りからかってきた。当然、顔は立川以上に意地悪そうに笑っている。

　つか、スカートん時って……。私は恥ずかしさのあまり顔がカーッと熱くなってきた。

「バカか、お前は！」