BirthControl―女達の戦い―



「……なんだと?」


譲は秘書の夏木の報告に耳を疑った。


あろうことかOldHomeのB棟の実態が、世間に流されてると言うのだ。


それもライブで流れているというのだから、手の打ちようがない。


「どうなってるんだ!

すぐに映像を切れ!

青柳は何をやってるんだ!」


動揺と怒りで体が震える。


拳を握り締めながら、唇も痛いほど噛み締めた。


「申し訳ございません

まさか……電波がジャックされるなど想定外だったものですから……

それに外側からのアプローチではない映像ですので、内部に協力者がいるとしか考えられません」


「協力者……だと?」


譲は眉間に皺を寄せながら、協力者になり得る人物を思い出した。


「まさか……遥香が……?」


思わずその名前を口にしてしまい、慌ててそれを否定する。


「いや、今まで真面目に働いてきたんだ……

遥香が裏切るわけがない

それにあの子には情報が漏れないよう青柳には再三注意していたしな……」


譲はまるで自分に言い聞かせるように、その可能性を否定する。


< 267 / 406 >

この作品をシェア

pagetop