BirthControl―女達の戦い―
けれど予想に反して母の口から漏れ聞こえたのは意外な言葉だった。
「あなた……」
(あなた?
……何を言ってるんだろう?
まさか……お父さんのこと?)
言ってる意味がわからなくて、しのぶはもう一度テレビの方に向き直った。
「――えっ!」
そこにはさっきまでは映っていなかった、良く知る顔があった。
(何でお父さんが!?)
さきほど男と女性が話していた部屋に画面はまた切り替わっており、そこには父らしき人物が何かを探っているように見える。
さきほどの男はもういないようだった。
「お母さん、何なの?これ
お父さん今日は仕事じゃないの?」
「……」
「ねえ?これって今起きてること?
お父さんがなんで?」
母も動揺していたのだろう。
しのぶがそう問いかけても返事はない。
固まったまま食い入るようにテレビを見つめていた。
あの時の母は今まで見たこともないような顔をしていた。
たぶんそれだけ父の身を案じていたんだろう。
なぜならOldHomeの根幹を揺るがす出来事に、もしかしたら父が関わっているのかもしれないのだから。
「あなた……」
(あなた?
……何を言ってるんだろう?
まさか……お父さんのこと?)
言ってる意味がわからなくて、しのぶはもう一度テレビの方に向き直った。
「――えっ!」
そこにはさっきまでは映っていなかった、良く知る顔があった。
(何でお父さんが!?)
さきほど男と女性が話していた部屋に画面はまた切り替わっており、そこには父らしき人物が何かを探っているように見える。
さきほどの男はもういないようだった。
「お母さん、何なの?これ
お父さん今日は仕事じゃないの?」
「……」
「ねえ?これって今起きてること?
お父さんがなんで?」
母も動揺していたのだろう。
しのぶがそう問いかけても返事はない。
固まったまま食い入るようにテレビを見つめていた。
あの時の母は今まで見たこともないような顔をしていた。
たぶんそれだけ父の身を案じていたんだろう。
なぜならOldHomeの根幹を揺るがす出来事に、もしかしたら父が関わっているのかもしれないのだから。