BirthControl―女達の戦い―
部屋に招き入れ、礼子はキッチンへと向かった。


グラスに冷蔵庫から出した氷とアイスコーヒーを注ぐと、宮田の元へと運ぶ。


アイスコーヒーを彼の前に置こうとした時、彼の視線が礼子の顔をじっと見ていることに気付いた。


あまりにも素直な反応をする彼が可愛くて、礼子は思わずクスッと笑ってしまう。


すると彼はバツの悪そうな顔をして一瞬目を逸らしたものの、すぐに礼子の顔を不安そうに見上げた。


礼子が優しく微笑むと、安心したのか今度はうっとりするような目で見つめてくる。


少し背中を押してあげれば、すぐにでも彼の理性の枷は外れてしまうに違いない。


けれどここで礼子から誘ったのでは意味がないのだ。


彼から無理矢理押し倒されるくらいでなければならない。


「で?どうしたの?

大人の男の人があれだけ泣くってことは、そうとう辛いことがあったんでしょ?

私で良ければ聞くよ?」


優しいお姉さんのような口調で、この人にとって安心できる存在だということを印象づける。


(ほら、彼はもう私に心を開きかけてる……)


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