BirthControl―女達の戦い―
「すみませんでした!」
しばらくすると自分のしたことに今さら気づいたのか、慌てて礼子から体を離すと宮田はそう謝った。
礼子は深々と頭を下げ続ける彼に好感を持った。
抱きついてきた時は、礼子の体が目的だと思っていたけれど、どうやらそうじゃないらしい。
純粋にただ慰めてもらいたかったのだと、礼子は理解した。
けれど明らかに自分に好意を持っていることは、彼の目を見ればわかる。
少し気のあるふりをすれば、落ちるに違いない。
でも確か……宮田には妻がいたはずだ。
それを乗り越えてまで、そういう関係になるだろうか?と礼子は思う。
「謝らなくてもいいのよ?
何かあったんでしょ?
店はまだやってないから、少しうちに上がってお茶でも飲んでって?」
優しく微笑みながらそう言うと、礼子は彼の返事を待たずに裏口へと向かう。
たぶん動揺してるだろう彼を置いたまま裏口に入ると、ドアから少しだけ顔を出した。
まだおろおろしている宮田を指で誘うと、それに吸い込まれるように礼子の部屋に入ってくる。
ここまでくれば誘うのは簡単だ。
宮田は明らかに礼子に欲情してる。