BirthControl―女達の戦い―
それから気まずそうな顔をして目線をさ迷わせながら、男は驚くべきことを言ったのだ。


「礼子ちゃん……

同意……してたんじゃないの?」


(……同意?

私がこのことを知っていて受け入れたってこと?)


言ってる意味がわからなかった。


それにやはりこの男は父の釣り仲間だと確信する。


確か結婚していて妻も子供もいるはずだ。


なぜこんなことをするのか、礼子には理解できなかった。


父の娘だと知ってて、深夜に部屋にまで忍び込むなんてこれは立派な犯罪になる。


警察に通報しなければと思ったときだった。


そうは出来ないんだってことを、男が次に言った言葉を聞いて、礼子は思い知ることになる。


「いや……お父さんから、礼子ちゃんがおじさんのこと好きみたいだって聞かされて……

思い出になるように、相手してやってくれないかって言われたんだよ……

おじさんも一応、結婚してる身だからね?

一度は断ったんだけど、一晩だけ相手をしてくれればいいからって……

今日もお父さんに部屋まで案内してもらったから……てっきり……

よく眠ってたから、少しおかしいなとは思ったんだけど……


おじさんも何がなんだか……」


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